2023.07.01

ひとを知る

中途採用3年目のスタッフ、図師雅人さん に聞きました。

勤務:アートセンターHANA / 担当:アトリエ・創作陶芸の運営、オープンアトリエ「mirumiru」講師など
【取材日】2022年6月

アーティストとして活動しながら、アートセンターHANAに勤務する図師雅人(ずし・まさひと)さん。東京の子ども向け絵画造形教室で講師を勤めた後、奈良への移住を機にたんぽぽの家に入職しました。その時に培ったノウハウを生かせると語る図師さん。自らも創作活動を行う立場として、どのようにメンバーと関わっているのでしょうか?

現在のお仕事について

たんぽぽの家には、ギャラリーやさまざまな表現活動を行うアトリエを備えた「アートセンターHANA(以下、HANA)」があり、僕はそこで制作サポートを行っています。「この人は絵具にボンドを混ぜていたな」「この人には、粘土の土台を用意した方がいいかも」と、一人ひとりの制作内容を把握して準備をします。特に担当している「創作陶芸」には、プログラムづくりから参画。どう楽しい場をつくるか考えるところからはじめました。立体作品に初挑戦するメンバーも多く、粘土の土台や軸を準備して、自立した作品づくりができるように日々フォローしています。

HANAのメンバーは自分で積極的に作品をつくれる人たちが多いので、基本的に制作内容への関与はありません。でも、制作に行き詰まって悩んでいる場合は、方向性やつくり方を相談し、一緒に考えることもあります。お互いに納得できる作品が完成し、外部の方にも評価してもらえたとき、やりがいを感じますね。

これまで取り組んできたこと

子どもが生まれることを機に、子育てや妻の仕事、僕の作品制作の環境を見直し、妻の地元である奈良に引越すことにしました。奈良での働き口を探して、大手求人サイトを活用してみたもののしっくり来なくて。自分の活動の刺激となるような仕事を探していたんです。

お金を稼ぐだけでなく、目の前の人の暮らしや背景を、時間をかけて共有できる仕事がしたい。

もともと、僕は東京で作家として活動しながら、絵画造形教室の講師をしていました。そこでは、小さい頃から受験戦争に巻き込まれて疲弊の色も見える子どもたちに、駆け込み寺的に創作の楽しさを伝えていたように思います。そうやって人間として成長していく子どもの様子を目の当たりにして、次第に「お金を稼ぐだけでなく、目の前の人の暮らしや背景を、時間をかけて共有できる仕事がしたい」と思うようになったんです。加えて、社会が抱える課題、今起きている変化に対して考えていくような仕事がいいとも。そんな時、ある建築雑誌でGood Job! センターの存在を知り「これだ!」と感じました。募集の問い合わせをしたところ、わたぼうしの会の説明会を案内され、そのまま応募したのがきっかけです。

アートセンターHANA1Fのアトリエにて、制作に励むメンバーの様子

たんぽぽの家で働くことの魅力

福祉の仕事は未経験。専門性の高い仕事ですし、障害のある人と関わる経験もなかったので、就職したての頃はやっぱり不安でした。特に難しかったのは、言葉でのコミュニケーションが難しいメンバーのサポートです。いままでの自分の持っている前提とはまた違うアプローチを考える必要があり、1年間くらい悩みつつ試行錯誤しましたね。そんなとき、リハビリの研修会で先生から、メンバーの理解のあり方について話を聞き、「ああ、そうか!」と納得。メンバーの特性や伝え方を整理して考えるようになりました。

頭で考えていても、どうしても追いつかないからとりあえず経験する。

また、入職して間もない頃、覚えることや学ぶことが多く慌てていた僕に、大先輩スタッフが「とりあえず、いろんな物事がガーッて押し寄せてくると思うけど、バァーッと自分のなかに入れたら良いんだよ!」と励ましてくれたんです(笑)。たんぽぽの家は規模も大きいし、いろんなメンバーもいて、活動も多岐にわたります。頭で考えていても、どうしても追いつかないからとりあえず経験する。そういう意味では、たんぽぽの家ならではのアドバイスだったなと思います。

ちなみに先輩は、立ち上げ当初からいるスタッフなんです。当時はわからないことも、失敗もたくさんあったはず。その分、チャレンジによる失敗を寛容に見てくれる職場だと思います。だから、失敗してもすぐ立ち直ってやっていける。もちろん、そこから学ぶ必要はありますけどね!

たんぽぽの家で働きたいと考えている人に一言!

「福祉の仕事だから」「障害のある人との付き合い方を知らないから」と自分でハードルを上げると、入りにくくなってしまいます。案外「とりあえず楽しそうだから、やってみる!」でいいんじゃないかと、僕は思っています。

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