2023.07.01

ひとを知る

中途採用1年目のスタッフ、西野敦子さん に聞きました。

勤務:福祉ホームコットンハウス / 担当:ホームヘルプ・ガイドヘルプなど
【取材日】2022年6月

2003年から10年間、福祉ホームコットンハウスで勤務したのち、一念発起して特別支援学校の教員となった西野敦子(にしの・あつこ)さん。8年にわたる教育現場での勤務を経て自身の“やりがい”を見つめ直し、2022年、再びコットンハウスに中途入職しました。現在の業務やコットンハウスの魅力は、どんなところにあるのでしょうか?

現在のお仕事について

コットンハウスは、障害のある人が、自分らしく人生を過ごすためのケア付き集合住宅です。入居しているのは、重度身体障害のある、車椅子に乗ったメンバーさんが約8割。ご高齢の方もいらっしゃるので、体調や食事の量を気にかけることはもちろん、「あんまり眠れていないんじゃないかな」と、小さな変化にも常に目を配ります。スタッフとパートスタッフでシフト体制を組み、こまめに引き継ぎを行いながら、24時間365日、生活全般のケアを行っていますね。

ケアにも模範的な方法、欠かせない介助用具などはあるのですが、それらを生かすのは、まずは“人”だと思っています。たとえば、車椅子からベッドに移動する際に使うリフトも、手に持つ場所や上げ下げの仕方など、扱い方はメンバーさんごとに異なる。毎日のケアを通して身になじむ感覚・技術を大事にしていますね。また、メンバーさんはそれぞれに個性と技術があり、日中は仕事の時間で輝いていらっしゃる。一方で、部屋に帰ってゆっくりと過ごす時間も必要ですし、それも暮らしの一面。ライフスタイルにあわせた居場所づくりを心がけています。

ケアをする仕事というより、一緒に生きているような気持ちというか。

家族のような友だちのような、近しい存在としてスタッフを見てくれている気がします。私たちも、ケアをする仕事というより、一緒に生きているような気持ちというか。時々、メンバーさんの生活の営み方に感動させられることがあるんです。ある方は、身体障害があり年齢も重ねられ、硬直で手を動かしづらい。それでも、毎日こつこつと自分のタオルを畳んでいらっしゃる。「手伝おうか?」と言っても、「じぶん(でやる)!」と気押されます(笑)。日常のささやかな行動を、一生懸命うれしそうにされている姿が本当に愛おしくて。生活を楽しむ力が人間にはあるんだと、気づかされますね。

これまで取り組んできたこと

大学時代が教育学部で、特別支援学校と小学校の教員免許は取得していたんです。でも、兄に知的障害があるので、進路選択時は先生になることよりも、「お兄ちゃんにはこれからどういう生活が待っているんだろう?」ということに興味がありました。それからたんぽぽに就職して10年経ち、次第に「メンバーさんたちは、小さい頃にどんな学びを経て、今ここにいるんだろう?」と思うようになって。当時は教員試験の受験資格が40歳まで。私自身も37歳を迎えていたので、今やらなかったら一生できない仕事になるかもしれないと、1年間勉強に集中し、無事に合格することができました。

特別支援学校ではおもに小学部で、重度知的障害のある子どもの指導にあたっていました。授業もそうですし、食事やトイレなど、日常生活のケアも行います。生活をともにするというところは、コットンハウスにも通じるところがありましたね。

いろんな世代、考え方の人が一緒に働ける環境になっているなと感じました。

再就職のきっかけとたんぽぽの家の魅力

特別支援学校には1度の異動を含め丸8年勤務したのですが、その間に、だんだんとマニュアル化した指導体制に違和感を覚えるようになって。もちろん、大きな問題を生じさせず、ものごとを解決するためにルールは必要です。ただ、子どもたちと一緒に笑い合って、学校の楽しさを伝えたいと思っていたのに、私自身が笑顔になれなくなってしまっていた。そんなとき、ずっと連絡を取り続けていた現ホーム長・副ホーム長に相談すると、「好きな仕事を一緒にやっていかへん?」と言ってくれたんです。長いブランクがあるのに、そんな言葉をかけてくれるのかと、救われる想いでしたね。悩みつつも、思い切って再びたんぽぽに戻ってくることを決めました。

障害のあるメンバーが暮らすコットンハウスにて、定期開催される「いちごサロン」。西野さんが司会となり、住人と一緒に話し、音楽を楽しみ、本を読む

絵本を読みながら、メンバーに話を振っていく西野さん

約10年ぶりにコットンハウスへ戻ってみて、よりいろんな世代、考え方の人が一緒に働ける環境になっているなと感じました。スタッフの年齢層は20代から70代近くまでと幅広く、若い人からは今時の価値観や考え方を学べますし、年配の方からも知恵やアドバイスをいただきます。今後、SNSを活用してケアの仕事のやりがいを伝えていく企画を検討しているのですが、上司をはじめ、同僚も「おもしろそうやな」と柔軟にサポートしてくれていますね。インターネットやSNSに疎いのがバレバレで、若いスタッフが「教えますよ」と声をかけてくれたり(笑)。

たんぽぽの家で働きたいと考えている人に一言!

アートセンターHANAやGood Job!センターなど、アート活動にも力を入れるたんぽぽの家ですが、メンバーさんの生活を支えるケアの仕事もとても魅力的。それぞれのケアのやり方、メンバーさんとの関わり方が生きる現場は、たんぽぽならではですし、一緒に毎日を築いていく営みを、私はすごく誇りに思っています。なんとなくケアに興味がある、ご家族の介護のために勉強したいなど、きっかけはなんでも大丈夫。ケアの仕事を好きになってもらえる場所だと思うので、ぜひ一緒に働きましょう!

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