私は、障害のある作家の作品、全国の福祉施設でつくられた商品、GJ!センターで開発した商品を取り扱うショップにて、商品の仕入れ、管理、販売を担当しています。新商品の入荷がある日は、商品情報をパソコンへ登録、バーコードシールの貼りつけやオンラインストアで商品掲載などの作業をしています。

今年4月からは毎週金曜日、アトリエでの創作活動のサポートにも少しずつ関わることになりました。そこでは、絵を描くための紙の準備から、刺繍をするまでの準備が難しい人の糸通し、玉結びまで。ショップの仕事もそうですが、メンバーさんの作業をサポートしながら一緒に取り組み、小さなことでも相談に乗るということをしています。

曜日によって流通やアトリエで働くメンバーさんが異なるので、その日ごとにメンバーさんの仕事を考えながら取り組んでいて。いまでこそ仕事内容を教えられるようになっていますが、就職したばかりの頃は慣れないアプリケーションや仕事内容を頭に入れるだけでも大変でした。あと、メンバーさんに仕事を頼むにも、その人が何を得意とするのか、何ができないのか、関係性がつくれているかといったことが重要になってくる。それをふまえてどう伝えるか。今もいろんなことを考えながら、取り組んでいます。

たんぽぽの家との出会いは、たまたまゼミの先生づたいで、たんぽぽの家がつくった舞台の映像作品を見る機会があり、それが最初ですね。あと、私が奈良出身ということもあって「わたぼうし音楽祭」など、小さい頃からなんとなくその活動を耳にしていました。就職活動中に、実家のある奈良で文化活動を行っている組織を調べていたら、「そういえば……」と思い出して。

もともと高校時代から演劇に興味があり、大学ではサークルに入って演者として作品に出演したり、公演やコンサートの運営などを企画する裏方的な活動もしたりしていました。学部も、アートマネジメントや文化政策について学ぶところだったので、卒業してから広く文化芸術にかかわる仕事がしたいと考えていたんです。

正直なところ、福祉の仕事には少し抵抗がありました。福祉のことをあまりよく知らないというのが大きかったんだと思いますが、実際にたんぽぽの家の職場体験に3日間参加してみると、意外と楽しいなと思えたんです。GJ!センターやアートセンターHANAで障害のある人のアート活動やケアに関わったり、生活支援センターや有縁のすみかで障害のある子どもたちの夏休みの活動やメンバーの方の余暇活動、生活支援など、さまざまな活動を体験させてもらって、なんとか自分でもやっていけるかなと。なによりメンバーさんやスタッフの方が、みなさんすごく明るく優しく接してくださって。雰囲気が良かったというのが大きいですね。

GJ!センターでは、かっちりと時間や役割を決めて仕事をしていくというよりも、ゆるやかな雰囲気・体制のなかで、それぞれが関わり合って仕事をしているんです。ほかの組織で働いたことはないですが、GJ!センターに来てそのおおらかさに驚きました。あと、流通の仕事をしているので、商品やそのものの成り立ち、お店のことを学ぶ機会が多くて。それも、当初思い描いていた「福祉の仕事」とはだいぶ違いますね。

仕事にやりがいを感じる瞬間は、メンバーさんにお願いした仕事がうまくはまったとき。前日に次の日の作業内容を組むんですが、それぞれに「この人はこうかな」と考えていく。当日の説明もきちんと伝わって、本人ものびのび進められているときは「やった！」となりますね。そうやって、メンバーさんも自分も、いままでできなかったことができるようになるととっても嬉しい。

今、アトリエで創作のサポートを少しずつしているんです。まだまだ深くは関われていないんですが、これからメンバーさんと一緒に何かつくることができたらいいなと思っています。あと、休日には演劇やミュージカルを観に行ったりと自分の興味も拡げていけているので、それがまたたんぽぽの家での活動につながっていけるといいなと。（メンバーさんが一人芝居をする企画も温めています！）