たんぽぽの家では昨年度の8月〜9月にかけて韓国・釜山で活動を行う非営利団体「EASY TOGETHER」(イージートゥギャザー)と交流プログラムを行いました。このプロジェクトは異なる土地で活動を行う障害のあるアーティスト同士が、独自の芸術文化・感性を用いて交流し、それぞれのメンバー、スタッフ、団体、障害福祉の現場においても更なる発展や成長の機会とすることを目指した取り組みです。日本と韓国にあるお互いの活動現場へ訪問したのち、共同制作などを通じて交流しました。
韓国・釜山「EASY TOGETHER」の活動現場へ
まずは私たち、たんぽぽの家でアート活動を行っている障害のあるメンバー2名と、現場でサポートを行っているスタッフ3名が韓国・釜山へ足を運ぶところから始まりました。EASY TOGETHERは10〜20代の発達障害のメンバーがアート活動を行う団体で、韓国・釜山を拠点としています。実際に活動している現場を見せてもらい、そこで生まれた作品や障害のあるメンバーの制作の様子などを案内して頂きました。
また、訪問した同時期には釜山にて、世界障害者大会と称される世界的に注目度の高い大規模な行事が開催されており、大会内で行われるシンポジウムにはたんぽぽの家のスタッフとメンバーが登壇。たんぽぽの家の活動や、展覧会・プロジェクトの事例ついてのプレゼンテーションも行いました。
韓国チームの方々からの厚い歓迎を受け、充足した思い出と共にその後日本まで帰国しました。
韓国チームの来日・たんぽぽの家での共同制作
続いてその翌月には、韓国からEASY TOGETHERのご一行がたんぽぽの家へ来訪されました。スタッフと障害のあるメンバーの計8名で来られ、2週間の間滞在。たんぽぽの家のメンバーとEASY TOGETHERのメンバーによる共同制作が始まります。共同制作はそれぞれのメンバー5名ずつがが2人1組のペアを組みスタート。各ペアによって制作方法や関わり方は違うものの、自然とお互いの存在を意識しながら、影響されながらの制作となっていきました。制作は2人の世界観で行われ、1つのキャンバスを一緒に描くペアもいればモチーフと画材を揃えて描くペアもいたりなど、多様な共同が生まれました。
そして2週間の制作が終了し最終日はそれぞれのペアによる発表会も開催。1ペアにつき2作品を制作し、それぞれの作品について解説するとともに、互いのペアに宛てた手紙も読み合うなど、暖かかな雰囲気のまま共同制作は終了しました。
この交流プロジェクトを通じて
関わったスタッフはもちろんのこと、メンバーにとっても多くの学び・刺激を受け、新たな可能性へ繋がるきっかけになったと思います。参加したメンバーもいまだに「あれは本当に濃い2週間だった」と振り返りの言葉を繰り返しスタッフに伝えてくれています。メンバー同士の制作を通じて、お互いの感性や情熱を交換し合い、土地や言葉の垣根を超えて、とても農密な関わり合いを行う事が出来このプロジェクトは本当に豊かな時間でした。