2024.04.06

ひとを知る

新卒採用9年目のスタッフ、川田理紗子さん に聞きました。

勤務:たんぽぽ生活支援センター / 担当:放課後デイサービス・ホームヘルプサービズなど
【取材日】2024年4月

大学での卒業論文がきっかけでたんぽぽの家と出会い、たんぽぽの家の緩やかな雰囲気に惹かれて就職した川田理紗子(かわた・りさこ)さん。働きはじめて9年が経ち、今では部署内の中心スタッフとして、子どもたちのプログラムを担当しながらスタッフの人材教育なども行っています。そんな川田さんが思う「福祉=人と人との関わり」の現場について伺いました。

現在のお仕事について

私は、主に放課後等デイサービスで、障害のある子どもたちのケアにあたっています。年齢層は、小学1年生から高校3年生までで、障害種別もそれぞれです。各曜日に活動内容を考えるプログラムの担当スタッフがいて、私は金曜日を担当しています。金曜日は、小学1~3年生を対象にした《低学年プログラム》と、そこに年上の子どもたちが合流して活動する《合同プログラム》の二部構成になっています。子どもたちは曜日固定制なので、毎週会うことができ、その子の成長や変化を途切れることなくみることができます。

その中でも、《低学年プログラム》は、子どもたちの「楽しい」「やってみようかな」「できた!」という気持ちを大切に、一人ひとりに寄り添った活動を行っています。運動や音楽活動、それぞれの興味関心に合わせた自立課題など、遊びの要素を取り入れながらプログラムを構成。曜日固定制の強みをいかして、前回の子どもたちの様子から、プログラムを細かく調整して、その時々の成長に合わせたプログラムを提供します。

子どもたちとの繋がりに、私たちスタッフの方が力をもらっていて、子どもたちと過ごす毎日が働く原動力になっている。

子どもたちと関わることは、毎日が試行錯誤です。私が大切にしていることは、とにかくめげずに関わってみること、そしてその子と一緒に過ごす時間を自分が全力で楽しむこと。感情は伝播するとはよく言いますが、この仕事では本当にその通りだと思います。無理に楽しむと疲れそうと思われるかもしれませんが、自分が前向きになることで子どもたちと繋がることができ、不思議と自分も楽しくなっていく…。ときにはそんな繋がりに私たちスタッフの方が力をもらっていて、子どもたちと過ごす毎日が働く原動力になっています。

たんぽぽの家を選んだ理由

たんぽぽの家との出会いは、障害のある人のアート活動をテーマにした大学の卒業論文がきっかけでした。私は大学が山口県なので、どうせ施設見学に行くのならと勢いで職場体験に申し込みました。もともと大学では社会福祉の勉強をしていたのですが、実習の延長の感覚なのか、自分の中で《誰かと関わること=その人に何かしらの評価をされる》という考えがどうしても拭えませんでした。人との関わりにそのような意図はないと理解はできているのに、《上手く人と関わろうとすること》が大切なことだと思っていました。

そんな考え方だったので、たんぽぽの家の職場体験で、まず驚いたところが、いろいろな人がいろいろな方法で他者と関わり、そこに評価が存在していなかったということです。《自分はこういう関わりをしているけれど、他の人は違った関わりをしている、でもどちらが正解というわけでもない》という考え方は、私を解してくれました。例え、その関わりが上手くいかなかったとしても大丈夫、完璧じゃなくても許される優しさ、みたいなものを感じました。

働いて間もなくして、先輩に「とにかく関わってみたらいい。それでどうしたらいいか困ったらフォローするし、何が上手くいかないかは、自分にとっても相手にとっても経験しないと分からないことだから」とアドバイスをいただいたことがありました。今でも、どうしたらいいか分からなくなったときはその言葉を思い出しています。

たんぽぽの家で働くことの魅力

とにかく人が魅力の職場です!働く上で、人間関係はかなり重要視されるポイントだと思うのですが、その心配はたんぽぽの家ではありません。一人ひとりの受け入れ力が高く、優しい人が多いです。

放課後等デイサービスの話になってしまいますが、私たちはプログラムへの参加を子どもたちに無理強いしません。例え、その中心にいなくても、その空間で同じ時間を共有していることを《参加》だと捉えるという考え方です。もちろん、一緒に過ごすからには、プログラムの活動を楽しんでもらおうと努力や工夫はしますが、その子の気持ちをベースにして関わるようにしています。

でも、少し考え方を変えると、確かに椅子に座らなくても、他のことをしていても、同じ空間と時間を共有しているだけで《参加》になる。

今では、こんなことを言えますが、新人スタッフとのときは、子どもたちに対して、どうにか椅子に座って参加してもらおうと必死になっていたこともありました。でも、少し考え方を変えると、確かに椅子に座らなくても、他のことをしていても、同じ空間と時間を共有しているだけで《参加》なのです。このようなたんぽぽの家のゆるやかさは、私にとってもかなり心地がいいものです。

障害や人間としての在り方、ケアとはどういうものなのか、良い意味で日々立ち返り考えさせられるチャンスが多くある職場だと思っています。また、いろいろな人がいろいろな考え方や方法で関わるからこそ、スタッフ全体の柔軟な考え方につながっているのかな、と最近は思っています。

たんぽぽの家で働きたいと考えている人に一言!

たんぽぽの家では「こうしなければならない」ということはありません。それはケアについても同じで、「こうしたら自分もみんなもちょっと笑えるかも」と思うようなことを丁寧に積み上げていける、そしてそれをまわりも面白がってくれる職場です。気分がのらずに出勤しても、メンバーや子どもたち、スタッフと会うと、いつの間にか笑ってしまっている。そんな不思議体験をしてほしいです。そして、それがケアの楽しさのひとつだと私は思っています。

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