2023年9月、第18回ヴェネツィアビエンナーレ国際建築展で“愛される建築をめざして”をテーマとした日本館の展示企画が行われた。その中で、Good Job!センター香芝やNEW TRADITIONALプロジェクトから生まれた取り組みや作品を紹介し、世界各国からの来場者を迎える創作体験ワークショップを開催。Good Job!センター香芝を設計された設計家のo+hさんをはじめ、Good Job!プロジェクトを伴走してもらっているデザイナーのUMA/design farmさんや編集のMUESUMさんたちがキュレーションチームとなり、ご縁をいただいて一緒にイタリアへ渡航した。
この海外経験で学んだことは大きく3つ
異国の地で感じることは、障害とは本人に付随する課題や困難だけでなく、人とひと。人と物など自分と他者との間にある障壁を指しているではないかということ。
愛される建築とは、目は口ほどに物を言うように、建物や空間や佇まいが何かを語りかけてくるもの。スペースのあり様によって、人も物も言葉だけでは伝わらない感覚を共有したり交えているのではないかということ。
イタリアでは政権交代のたびに社会制度が変わり、多民族国家ゆえの困難さや実践を見聞きし、その課題をいかに自分ごとへと引き寄せつつ社会解決へと発展させられるかということ。
たんぽぽの家が運動体として実践してきた、“異なるものから学ぶ・異なるものへ持ち込む・異なるものと組む”を体現する渡航であった。
また、“やれないのか、やらないのか”いつしかたんぽぽの家のスタッフから投げかけられたこの言葉が記憶から呼び戻された。
誰かがやるのではなく、小さくとも、少なくとも、弱くとも、自分で考えてできることは何か?
自分ができることを誰かと一緒にやるとより楽しくなるかもしれない。自分にできないことは誰かができることかもしれないから、恐れずに委ねてみよう。
たんぽぽの家やGood Job!センターに来ることがあれば、ぜひ、その先にあるものを障害のある人と一緒に探してみてください。
※NEW TRADITIONALプロジェクトについて:https://newtraditional.jp/