《アートスクールPocket》は、たんぽぽ生活支援センターが運営する放課後等デイサービスのプログラムです。障害のある子どもたちを対象に、子どもたち一人ひとりが、より深くアートに取り組む場として2000年に生まれました。

アートスクールPocket について

《Pocket(ポケット)》という名前には、、、
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→IN:それぞれが持っている個性や感受性を大切にし、新しく経験したことや感じたことを受け取る。
→OUT:そこから生まれた行為や制作を通して外の世界に向けてに出していく。
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という意味が込められています。

Pocketでは絵の具や色鉛筆のような一般的な画材から、油絵のような本格的な画材を使ったり、木材や3Dペンなどの多様な素材も取り入れながら、日々制作を行っています。現在は毎週火曜日に、小学4年生~高校2年生の子どもたち5名が活動していて、落ち着いた雰囲気の中、一人ひとりのペースを大切にしながら活動しています。

  • クリスマスツリー作り
  • 描いた絵をもとに作ったステンシルでTシャツづくり

何かをつくる喜びを子どもたちに感じてらえればと思っています

私たちは『作品を完成させること』そのものを目標にせず《作るプロセス》を大切にしています。一人ひとりが得意なことや好きなことにじっくり取り組み、使ったことのない道具にも挑戦しながら、それぞれが表現を広げたり深めたりしています。また、そんな時間を大切にしつつも、ときには完成時期を設けた季節物をみんなで作ることもあって、特に年末年始のカレンダー作りは毎年恒例の創作にもなっています。

表現を育む時間と、カレンダー作りのような創作そのものを楽しむ時間、その二つを行き来しながら、何かをつくる喜びを子どもたちに感じてらえればと思っています。

  • 出来上がったカレンダーと記念撮影

表現を育み社会とつながる

アートスクールPocketでは、子どもたちが楽しい、心地よいと感じている行為の中から、その子なりのよさを見つけ出し、それを少しずつ広げていくことを大切にしています。

例えば、Pocketに通うある子どもは、穴あけパンチやのりなどの道具を、目的なく使い続けてしまう様子がありました。家庭では、「本来の使い方ができた方がいい」という思いから、道具の使用を制限することもあったそうです。

Pocketでは、道具の使い方を一律に正すのではなく、本来とは異なる使い方であっても、その行為そのものをまず見守ることがあります。

ホッチキス留めを何度も繰り返すことは、本来の使い方からは異なる行為かも知れませんが、その一方で、折り紙に広がるホッチキスのリズムや流れはとても豊かで、何よりその子が夢中におこなっている表現でもあります。ここ最近では、そんな豊かな行為を作品として伝えることができればとも考え、ホッチキスのリズムをコンセプトにしたテキスタイルを制作しています。また、この作品を《ニュートラの学校》という福祉とものづくりのセミナーで、全国から集ったクリエイターの方々に紹介する機会もいただき、そのことをご家族にもお伝えすると、大変喜んで頂きました。

そんなこともあってか、ご家族から「家で退屈そうなときに“ホッチキスする?”と声をかけてみた」という話も伺え、ささやかではありますがこの作品が、子どもとご家族たちの暮らしに、少しでも影響をもてたことに嬉しく感じました。

  • ホッチキスの跡をデザインとしてハンカチに
  • お手製のスタンプを開発
  • 夢中になってホッチキスを楽しむ
  • ホッチキス留めを繰り返してできたもの

また、Pocketでは、地域の方々に作品を見てもらうことも大切にしています。年に一度、子どもたちの作品を紹介する『Pocket展』を、施設内にあるギャラリーカフェで開催したり、たんぽぽの家が主催するお祭りのチラシやポスターに絵を使用したりもします。お祭りではPocketの子どもたちも一緒に模擬店を出店。チラシを見て足を運んでくれた人達に、自分で描いたポストカードなどを販売しました。

その積み重ねが、子どもたちが自分らしく、楽しく生きていくことにつながっていけばと思います。

普段は自分の描いた絵にそれほど関心がないように見える子どもたちも、展示会場では、額装された自分の絵をじっと見つめることもあります。Pocketでの経験が子ども自身にとって大切な経験になることはもちろん、ご家族や周囲の大人の見方も、少しずつ変わっていくように感じています。その積み重ねが、子どもたちが自分らしく、楽しく生きていくことにつながっていけばと思います。

おまつりでの販売の様子

今村 空歌(イマムラ アキカ)

勤続2年目/たんぽぽ生活支援センター・福祉ホーム有縁のすみか 兼務

普段は福祉ホームで暮らすメンバーさんの生活のサポートをしたり、放課後等デイサービス「アートスクールPocket」のプログラム担当をしています。プログラム中は、子どもたちの思いがけない行動や反応に出会えることも多くあります。予想を超えた表現に触れることで、自分の想像力が広がり、新たな可能性に出会える。その瞬間に、この仕事ならではの楽しさを感じます。

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